ポケモンソードシールドプレイ記 その10

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簡単すぎる登場人物紹介

ミズキ・・・主人公の女の子。アニメ好きで自分の見た作品の推しの名前をポケモンにつける傾向にある。理由は不明だが手持ちと意思疎通できる能力がある。

ミク・・・インテレオン♀。せっかちな性格。クールな話し方が特徴のミズキのパートナー。

エリカ・・・セキタンザン♀。なまいきな性格。気が強く自信家。

ムツミ・・・ブリムオン♀。ひかえめな性格。おとなしくて心優しい。

コハル・・・モスノウ♀。おくびょうな性格。ミズキに最もなついている。

ミカン・・・ストリンダー♀。やんちゃな性格。ハイな姿に進化した。

カグヤ・・・ドラパルト♀。わんぱくな性格。げきりんのみずうみの王族の家系生まれ。

リリィ・・・サダイジャ♀。れいせいな性格。ミズキの仲間で唯一のキョダイマックス可能個体。

ナレーション・・・管理人

それ以外は省略。

ブラックナイト

前回、キバナに無事勝利しトーナメントを制覇したミズキにホップが声をかけてきた。

「よう!いよいよだな!特別に応援に来たぞ!」

「ホップ・・・そうなんだよね。」

「といっても迷うよなー。だってアニキとライバルの対決だぞ・・・どっちを応援すればいいんだ?」

「ホップの好きな方でいいんじゃないかな?」

「ファイニー!」

ホップの手持ちであるエースバーンが迷うホップに声をかける。

「・・・お前もそう思ってるんだな。やっぱミズキか。だよな!一緒に旅立ったんだもんな。兄貴に勝てよ!お前なら無敵のチャンピオンを超えられる!」

「ファイニー!」

「ありがとうホップ!エースバーン!」

「おう、じゃな!」

ホップはそう言うと出て行った。

「・・・よし、皆行こうか!」

「ミズキがここまで頑張ってきたこと・・・ずっと見てたから・・・」

「決勝でもあたしが全部燃やし尽くしてあげる!」

「あの時、ミズキちゃんに助けてもらわなかったら、あたしここまで来れてなかった。改めてありがとう。」

「ミズキちゃんなら、チャンピオンになれるのです!」

「チャンピオンだって、私の音技で全部はねのけるから!」

「あらあら、皆さん血の気が多いこと。こういう時こそ冷静にならないと足元救われますよ?」

「みんな・・・私こそありがとうだよ。それじゃ・・・行こう!」

ミズキはここまで一緒に戦ってきた仲間たちと共にコートへ向かう。コートにはすでにダンデガスタンバイしていた。

「ダンデさん・・・よろしくお願いします!」

「コートの張りつめた空気・・・それとは真逆の観客の熱狂・・・どちらも最高じゃないか!いいかい、彼ら観客はどちらかが負けることを願う残酷な人々でもある!そんな怖さをはねのけ、ポケモントレーナーとしてのすべてをチームのすべてを出し切って勝利をもぎ取るのが俺は好きでたまらない!」

「はい。」

「俺の最高のパートナーたちもボールの中でうずうずしている・・・さあ、チャンピオンタイムだ!ガラル地方チャンピオンの俺とリザードン達がこれまでに得た経験、知識で君たちを全て打ち砕くぜ!」

「簡単にはいきませんよ・・・ミク達だって負けてませんから!」

ミズキとダンデがそれぞれ、指定の位置にスタンバイする・・・その時、観客が声を上げる。

「ちょっと待って何あれ?」

「おい、モニターを見ろよ!なんだあれ・・・」

モニターに映ったのは・・・ローズだった。

「ハロー!ダンデ君にミズキ君。ガラルの未来を始めるためにブラックナイトを始めるよ!ダンデ君が話を聞いていたらこんなことにはならなかったのにね!」

「ブラックナイトってどういう・・・」

するとどこかのスタジアムの中央から赤色の光の柱がされ、シュートスタジアムにも地響きが。異常を感じたホップも駆け付けた。

「アニキ!ミズキ!今のってナックルシティスタジアムだよな?ローズさん何をしたんだ?」

「さっぱりわからない!分からないが昨日の話・・・1000年後の問題を解決するために動いたのか?とにかく俺が行く!委員長の話をきちんと理解しなかった俺に責任がある・・・だから俺に任せるんだ!」

ダンデはそう言うと走り去って行ってしまった・・・

「ミズキ、俺アニキの力になりたい!でもミズキに勝てなかった俺に何ができるんだ・・・」

「いや、やろうよ!できることは何かしらあるはずだから!」

「何をやるんだ・・・ローズさんが言っていたブラックナイトって大昔の空が暗くなったことだろ。はじめるってなんだ?そもそもどこで・・・」

「英雄像の時の話じゃない?」

「ソニアがそんなこと言ってたっけ・・・英雄は2人で剣と盾のポケモンと共にブラックナイト鎮めたんだった。よし、2匹のポケモンを探すぞ!どこへ向かおう。」

「まどろみの森にいたでしょ!あのポケモンがそうなんじゃない?」

「さすがだミズキ!あいつこそが眠りについたポケモンだ!」

「よし、行こうか!」

ミズキとホップはまどろみの森へ向かったのだった。

ザシアンとザマゼンタ

久しぶりに故郷の町に戻るとソニアがすでに来ていた。

「あれ、ミズキにホップ。どうしてここにいるの!?今はチャンピオンマッチ中じゃ・・・」

「・・・ソニアったら、何も知らないのね。ローズ委員長が大会をめちゃくちゃにしたのよ。」

驚くソニアの前にミズキの母親が現れて事情を説明した。

「あ、母さん。」

「え、えー!!!!まどろみの森を調査している間に何が起きていたんですか。」

「ナックルスタジアムが黒い渦で覆われちゃって、ブラックナイトだっけ、もうめちゃくちゃって感じよ。でも大丈夫よね。無敵のチャンピオンが何とかしてくれるんでしょ?」

「それは・・・」

「待って、ミズキのお母さん今ブラックナイトって言いました?ブラックナイトは大昔ガラル地方を滅ぼしかけた黒い渦の名前・・・えっ、じゃあミズキは何をしに来たの?」

「剣のポケモンを探しに来たんです。」

「確かに伝説が本当なら、県や盾のポケモンがブラックナイトを治めてくれる・・・渦を振り払う力となる!分かった、まどろみの森に行くといいよ!わたしも後で追いかけるからさ。」

「ありがとうございます!行ってきます!」

ミズキとホップは森の中に入って行った。

「ミズキ!また不思議な霧に包まれるかもな・・・だけど俺らも強くなったし問題ないよな。」

「そうだね。」

「思えばあの時森に入ったことが伝説の始まりだったかもな。よし新たな伝説の1ページを刻むぞ!」

「全く、そんなに急がなくてもいいでしょ!」

ミズキはホップを追いかけ森のこれまでに入ったことないぐらい奥まで進む。すると奥からあの時出会った四足歩行のポケモンが現れた。しかも今回は赤い別のポケモンもいる。

「ウルォーーード!!」

「ウルゥーーード!!」

「いたぞ、剣と盾のポケモンだ!」

しかし、二体は叫ぶと霧を出して姿を消してしまう。

「おい、どこ行くんだよ!」

ホップが姿を消した二匹を呼びとめようとする。そこに追いついたと思われるソニアが現れた。

「あんたたち、何してんの?」

「はあ?ソニアも見ただろ?剣と盾のポケモンが森の奥に・・・」

「あんたたち以外に何もいなかったけど・・・」

「えっ・・・ってことは俺たちが見ていたのは幻・・・?」

「外国の本も調べてようやく見つけたの。剣のポケモンはザシアン。盾のポケモンはザマゼンタ。まどろみ森の向こうで生まれたとされるポケモンだそうよ。」

「そっか・・・サンキューな。よし、幻とはいえまた会えたんだ。あいつらが持っていた剣と盾だってあるはずだぞ!」

ホップはそう言ってさらに奥へ走っていく。

「全く・・・待ちなさいってば!」

ミズキもホップを追いかけ更に奥へ。すると清らかな森の中にある遺跡のような場所にたどり着いた。

「ミズキみろよ、なんだか凄そうな伝説って感じの場所だぞ。」

「そうだね・・・ここにザシアンとザマゼンタは眠っているのかな?」

遺跡のような場所に近づくとそこに剣と盾を象った物体が置かれていた。おそらくラテラルタウンの石像のザシアンとザマゼンタが持っていた剣と盾だろう。

「剣と盾があるぞ!伝説は本当だったんだ!俺は盾を選ぶぞ!」

「私は剣ね。持ってみよう。」

ミズキは剣を持ち、ホップは盾を持った。

「ちょっとぼろぼろだけど、これでブラックナイトを倒せるのか?」

「いや、それ言っちゃだめじゃないの?」

「剣と盾のポケモンは眠っているんだな。よし、アニキを助けるのはやっぱり俺たちだ!ナックルシティまで行くぞ!」

「分かった、行こう!だけどさ、用事があるから先に言っててくれるかな?」

「ああ、用事を終えたらすぐに来いよ!」

ホップは一足先にナックルシティに向かった。ミズキはその足でワイルドエリアのとある巣穴に向かったのだった・・・

ムゲンダイナ

用事を済ませたミズキはナックルシティに向かう。スタジアム前にはキバナと先についていたホップとがいた。

「ミズキにホップじゃないか。大事な戦いが大変なことになっちまったな。」

「そうですね・・・」

「それにしてもポケモンからあふれるエネルギーでガラルを救おうとする何てローズ委員長ぶっ飛びすぎてて理解できないぜ。」

「ブラックナイトだろうがなんだろうが俺はアニキを助けに行く!」

「あっ・・・ホップの奴愛からわず騒がしい奴だぜ。」

「ほんと、その通りですよ・・・」

「町のみんなは大丈夫だ。他のジムリーダーやポケモンの協力で避難してもらったからな。チャンピオンやガラルのみんなを助けるんだろ?」

「はい!行ってきます!」

「最強のチャンピオンとチャレンジャー、そしてそのライバルか。行けよ最強のチャレンジャー!」

ミズキはキバナに見送られ、ナックルスタジアムの中へ向かった。入り口ではオリーヴがうろたえており、いつもの高圧的な態度ではなくミズキに助けを求めてきた。ほどほどに説明を聞き地下のプラントに向かった。奥に行くとローズとホップが。ホップはどうやらローズに負けてしまったようだ。

「なんなんだよ・・・アニキを助けられないぞ・・・」

「おや、何をする気なのかな。ミズキ君?」

「ダンデさんを助けに来たんです。」

「君は何を言っているんだ?すでに最強のポケモンムゲンダイナはめざめたんだ。それに君からすればわたくしは酷いことをしているように見えるだろう?微塵も理解できないんだろうね?」

「・・・理解できなくはないです。」

「だがね、わたくしにはガラル地方が永遠に発展し続けるために無限のエネルギーをもたらす信念と使命があるのだよ。そのためにムゲンダイナに願い星を与えていたのだ。前に起きた野生ポケモンがダイマックスした騒ぎもムゲンダイナを目覚めさせるための実験の一環だったのだよ。」

「そんなに未来が大事なんですか・・・」

「君が何と言おうとはいえ、ガラルの未来を守る計画を邪魔するなんてもってのほかだ!」

ローズはそう言って勝負を仕掛けてきた。ローズの手持ちはシュバルゴ、ナットレイ、ニャイキング、ギギギアルそしてあのビートが遺跡を破壊する時に使っていたダイオウドウ。ギギギアルまでの四体はエリカがかえんほうしゃで撃退した。

「エリカお疲れ様!あの子と交代だよ!」

「分かったわ!」

「おやおや最後の一匹ですか・・・少し困りますがねえ・・・行きなさいダイオウドウ!」

「ならこっちも・・・お願い!リリィ!」

「はぁーい。任せなさいな。」

「サダイジャ・・・?ミズキの手持ちとしては初めて見る奴だぞ・・・」

ホップが驚くのも無理はない。ミズキが繰り出したのはこれまで手持ちにいなかったサダイジャだったのだから。

「見てれば分かるよ。リリィ、キョダイマックス!」

「わたくしもどかーんと一発やって見せましょうかね!ダイオウドウ、キョダイマックスです!」

互いのポケモンがキョダイマックスする。ダイオウドウは角ばった姿に。サダイジャことリリィは竜巻のような姿に。

「ミズキ、キョダイマックスできるサダイジャを手に入れていたんだな!」

「うん!さっきホップと別れた後にね・・・」

~回想~

まどろみの森で剣を手にいれたミズキはワイルドエリアのとある巣穴に向かった。

「お願い・・・力を貸して!」

ミズキはそう言ってねがいのかたまりをある巣穴に投げ込む。すると・・・竜巻のような姿のサダイジャが姿を現した。

「・・・・・」

「貴方が・・・キョダイマックスポケモンなんだね。」

ミズキがねがいのかたまりを投げ込んだ巣はキョダイマックスできるサダイジャがいる巣だったのである。レイドバトルに何度も挑み、ミズキはキョダイマックス状態のサダイジャを手に入れることに成功したのだった。

「やった・・・ゲットだよ!貴方の名前は私の好きな染谷リリィちゃんから取ってリリィだよ!」

「悪くない名前ねえ・・・よろしくねミズキちゃん。」

「レベルも高いから大人びてるのかな・・・まあいいや、よろしくねリリィ!」

無論捕まえたからと言ってすぐに勝負に行くのではなく、キャンプで理解を深め合い、時にはチーズ入りカレーを作り・・・数時間でミズキとリリィの仲は他のメンバーと変わらないぐらいにまでなった。

「リリィ、これから私この地方を救う戦いに行かなきゃいけないの。貴方の力を貸してくれないかな?」

「力を貸すも何も、私はミズキちゃんともういい感じなんだからどこへでも行くわよ?」

「ありがとう。それじゃ、行こうか!」

ミズキはリリィを手持ちに加えて、ナックルシティへ急ぐのだった・・・

~回想終わり~

「俺と一旦別れたのはこいつを捕まえるためだったんだな・・・」

「そうだったの。すぐに行けなくて悪かったね。」

「何を話しているのです!貴方が来ないのならこっちから・・・」

「すぐ決めてあげるよ!リリィ、キョダイサジン!」

「お任せよ~!」

キョダイマックスしたリリィの技によってダイオウドウは何もできずに爆散した。ミズキの勝利である。

「やった!勝ったよリリィ、お疲れ様!」

「ミズキちゃんの喜んだ顔見られるの嬉・し・い・な・ぁ。」

「さすがですね。ミズキくん!君とチャンピオンの戦い見たかったね!ムダしちゃって申し訳ない!」

「そう思えるならなんでこんなことを・・・」

「エネルギー問題の事を考えると仕方がないんだ。エネルギー問題を一刻でも早く解決するべくムゲンダイナを目覚めさせたが・・・制御できなかったわたくしを助けるためにチャンピオンは試合を捨ててやってきた。」

「・・・・・」

「・・・わたくしは演説が大好きだからね。話が長いけどそろそろ終わらせますよ。上ではチャンピオンがムゲンダイナを捕えた頃でしょうから。気になるならリフトで屋上に上がればいいのですよ。ほら、ホップ君も行くのでしょう。2人でチャンピオンの様子を見てくるといいでしょう。」

「委員長分かってないな・・・俺もポケモンもあきらめない!ジムチャレンジで学んだからな!ミズキ、俺は覚悟を決めているぞ!アニキを助けに行くんだ!」

「分かった、行こう!」

ミズキトホップはリフトで屋上に上がった。

復活!ザシアンとザマゼンタ

屋上ではダンデがリザードンと共にムゲンダイナとの死闘を繰り広げていた。

「ダンデさん!」

「危険を顧みず、俺を助けに来てくれたのか。心の底からサンキューだぜ!だが安心しろ、ムゲンダイナはすでに追いつめてある。あとは暴走を止めるため捕獲するだけだ!」

ダンデはそう言ってボールをムゲンダイナに投げつける。ムゲンダイナは何とかボールに収まったが、すぐにかち割って出てきてしまった。しかもボールから出たムゲンダイナはミズキに襲い掛かってきた。

「こっちに来る!ムツミ!お願い!」

「了解だよっ!」

ミズキはムツミを繰り出し、ムツミはサイコキネシスでムゲンダイナを押さえつける。ダメージを負ったムゲンダイナは倒れた・・・と思いきや、ローズが与えた願い星のせいなのか五本指のある腕のような形になって襲い掛かってきた。

「もう!なんなのよこれ!!!」

「でかすぎるぞ!ミズキ、一緒にやるぞ!」

ミズキとホップはムゲンダイナを迎え撃つ。しかし、ムゲンダイナの力のせいなのか技を出せない。

「ダメージを与えられないなんて・・・」

「どうすれば・・・忘れてた!まどろみの森で剣と盾を見つけてたのに!ミズキ!剣を頼む!何か起きるかもしれないからな!」

ホップはそう言って盾を掲げた。

「分かった!やってみよう!」

ミズキも剣を掲げる。すると・・・まどろみの森の奥の神殿にある小島でザシアンとザマゼンタが目覚め、駆けつけてくれた。ミズキたちの持っていた剣と盾が合体し、ザシアンとザマゼンタに力を与えて2匹を真の姿に変えた。また、ザシアンとザマゼンタのおかげか技が出せるようになった。

「・・・技が出せる?ムツミ!まだ大丈夫!?」

「うん!全然問題ないよっ!このままやっつけちゃおうね!」

「ザシアンとザマゼンタのおかげだな!バイウールー!頼むぞ!」

「ウルォード!!!」

「ウルゥード!!!」

技を出せるようになった一同は、ムゲンダイナの攻撃にダメージを負いつつも攻め続けた。

ザシアンはきょじゅうざん、ザマゼンタはきょじゅうだん、ムツミはサイコキネシス、ホップのバイウールーはすてみタックルで攻め続ける。そしてついにザシアンのとどめの一撃でムゲンダイナは爆散した。

「今だミズキ!ムゲンダイナを捕まえろぉ!」

「うん!」

ミズキはムゲンダイナに向かってキョダイボールを投げつける。ムゲンダイナは無事に捕獲された。

「やったぞー!」

「・・・良かった。」

「ミズキちゃんお疲れ様っ!」

「ありがとうムツミ。貴方は十分強くなったよ。」

ローズがムゲンダイナに与えていた願い星は飛び散り、戦いが終わったザシアンとザマゼンタは吠えた後に元の姿に戻って空の向こうに飛んで行ったのだった・・・世界を救ったことで再び眠りにつくために。

ファイナルマッチ

それから3日後。ローズはムゲンダイナを利用してガラル地方を混乱させる事態に追い込んだ罪で自首した。まあ当然の事だろう・・・しかし、ローズのしたことは本当にすべて間違っていたのだろうか・・・彼もまたガラル地方の未来を憂うって救おうとした別の視点での正義だったのではないだろうか・・・とはいえ、もっと違うやり方はあっただろうに。そしてこの事件の一番の被害者は利用されたムゲンダイナであろう。

「ミズキ!みんな騒いでいるけど解決してよかったよな。」

「ほんとだよね。」

「なのにアニキったら自分も意識を失うほどの怪我をを負ったのにチャンピオンマッチをするって無茶を言うんだもんな。」

「ダンデさんらしいとは思うけどね・・・」

「そうだな。だけど俺にはアニキの気持ちも分かるけどな。ミズキとアニキの真剣勝負楽しみすぎるぞ!シュートスタジアムで待ってるからな!」

ホップはそう言うと駆け出して行ってしまった。

「もう・・・さ、私たちも行こうか。」

「うん。3日休んだから準備はできている・・・」

「さっさとチャンピオンになるわよ!」

「その前に・・・作戦会議だよ!」

ミズキはキャンプを開き、トロピカルカレーを作り決勝戦に出る6体・・・ミク、エリカ、ムツミ、コハル、カグヤ、リリィに振る舞う。

「それでミズキさん。ダンデさんのポケモンとかは分かっているのですか?」

「分からないんだよね・・・だから、ダンデさんの出してくるポケモンごとに対応できるようにみんなのことを最初に一回繰り出そうと思うんだけど・・・どうかな?」

「いーんじゃないの。ミズキちゃんの作戦なら私良いと思うけどなー。」

「そうなのです!意表を突くにはいい方法なのではないでしょうか。」

「ありがとうコハル、リリィ。よし、行こうか・・・最後の戦いに。」

「ミズキ・・・それだと引退試合みたいだよ・・・」

ミズキたちは作戦会議を終えスタジアムで受け付けをし、コートに向かう。コートではすでにダンデが待っていた。

「俺の試合はいつも満員になる。だが、スタジアムのみんながこれだけ熱狂しているのは初めてだ。みんなが3日前のミズキの大活躍・・・ガラル地方の未来を守ったことを知っているからな。」

「(そんなに有名になってたんだ・・・)」

「ムゲンダイナを捕え伝説のポケモンザシアンとザマゼンタと共に戦った英雄・・・俺の無敗記録を伸ばすのにもってこいのチャレンジャーだぜ。さあミズキ!ガラル地方の歴史残る・・・いや、ガラル地方の未来を変える極上の決勝戦にするぜ!」

「よろしくお願いします!ダンデさん!」

こうしてミズキの最後手持ちをフィールドにすべて繰り出した。

「私はこの子達と行きます!」

「いきなり手持ち全員を出して何をする気だ・・・行け!ギルガルド!」

「ガルッ!」

「行って!エリカ!」

「任せなさい!」

ミズキの繰り出したメンバーからエリカが飛び出した。

「エリカ、かえんほうしゃ!」

「ギルガルド、キングシールドだ!」

ギルガルドは盾を張り、かえんほうしゃを防いだ。

「(キングシールドは接触技を撃った相手の攻撃を大幅に下げるからこれでいいはず・・・)」

「ギルガルド!次は聖なる剣だ!」

ギルガルドはバトルモードに切り替わり、エリカに向かって攻撃をする。しかし、効果は薄い。

「あたしの耐久ならそれぐらい耐えられんのよ!」

「今だよエリカ!かえんほうしゃ!」

「(ミズキと出会わなければ、あたしも大きな経験もしなかっただろうし、こんなところまで来られなかったかもしれないもんね。口では言わないけど数多くのタンドンの中からあたしを選んでくれたことに感謝はしてんのよ!)」

エリカのかえんほうしゃはバトルモードで耐久の下がったギルガルドをいともたやすく焼き尽くしてしまった。

「やるな・・・こうでなくちゃ面白くない!つぎはオノノクスだ!」

「オノッ!」

「エリカお疲れ様!次はコハルお願いね!」

「了解なのです!」

「オノノクス!アイアンテールだ!」

「コハル!」

弱点のはがね技を撃たれピンチ・・・かと思いきやコハルはそれを回避した。

「これぐらい、余裕の回避なのです!」

「コハル!ふぶき!」

「(ミズキちゃんに拾ってもらって一緒にカレーを食べて進化して・・・ここまで一緒にやってきたのです。わたくしは炎や岩に弱いので、どうしても活躍できる場所も限られてしまいます。ですがそんなわたくしだからこそ、有利な相手には全力で戦う。これをしっかりやっているのです!)」

「オノオオオオっ!!!」

コハルの猛烈な氷技にオノノクスは一撃でダウンしてしまった。

「やるな・・・ドサイドン、行ってくれ!」

「ドサイ!」

「コハルお疲れ様!次はカグヤ!行って!」

「任せなさい。」

「ドサイドンには水技が効くはず・・・カグヤ、なみのり!」

「華麗な波裁きですよ?」

「ドサイドン、ストーンエッジだ!」

「ドサ!」

カグヤはなみのりでドサイドンを攻撃するがギリギリのところで耐えられ、ストーンエッジで反撃を貰う。

「くっ・・・やるのね・・・」

「カグヤ、ドラゴンアロー!」

「(ですが、ここで弱気になってはダメよ。ミズキはこの王族たる私でも実力のあるトレーナーだとわかるわ。あの時、王族として生きることを放棄してでもミズキに捕獲されてよかったって思うもの。だって・・・こんな舞台で輝ける経験ができたんだから!」

カグヤの渾身のドラゴンアローはドサイドンの残ったHPを削り取った。

「ここまでとはな、次はドラパルトだ!」

「ドラァ!」

「カグヤと同じポケモン・・・ムツミ、行って!」

「分かったよっ!」

「ドラパルド!シャドーボール!」

「ううっ・・・」

ドラパルトのシャドーボールでムツミは致命傷とも呼べるほどのダメージを負ってしまった。

「あたし・・・もうだめかも・・・」

「ムツミ!貴方ムゲンダイナを相手にできるまで強くなったんだから、弱気にならなくてもいいんだよ!!!」

「(そうだった。あたしはムゲンダイナを相手にして勝ったんだよっ!生きるのすら大変だったあたしをミズキちゃんはここまで強くしてくれた。今できるのは・・・一撃で相手しとめること!)」

「ムツミ、マジカルシャインだよ!」

「最大パワーで行けええええ!!!」

ムツミの渾身のマジカルシャインはドラパルトを一撃で仕留めた。

「よし、それでこそだ!次は・・・ゴリランダー!たのむぞ!」

「ウホホッ!!!」

「ムツミお疲れ様!ゴリランダーってことは・・・あの時のサルノリ!それなら、ミク!お願い!」

「宿命の対決・・・」

ダンデがゴリランダー、ミズキがミクを繰り出したことによって最初に選ばれたポケモン同士の対決となった。

「ゴリランダー、ドラムアタック!」

「ウホッ!」

ゴリランダーは攻撃を繰り出そうとするが、ミクは華麗に回避した。

「もうビビって泣いてた頃の私じゃない・・・」

「ミク!れいとうビーム!」

「(思えば、ミズキと出会って色々な景色を見てきたし仲間が入れ替わり立ち代わりになるのも見てきた。今ミズキにとってのエースは私じゃないのかもしれない。だけど、それでもかまわない。ミズキが最初に選んでくれたのは私・・・それだけは未来永劫絶対に変わらないたった一つのことだから・・・」

ミクのれいとうビームはゴリランダーに見事命中し一撃で倒してしまった。

「ゴリランダーに勝てるなんて!ミクお疲れ様!」

「大将じゃなかったのは心残りだけど・・・今は満足・・・」

「チャンピオンタイムはまだまだ終わらないぜ!行け!リザードン!」

「ならこっちも・・・リリィ!お願いね!」

「まっかせなさーい!」

ダンデは切り札のリザードン、ミズキは大将としてリリィを繰り出した。

「リリィ!リザードン相手に気は抜けないよ!キョダイダイマックス!」

「リザードンの本気を見せよう!キョダイマックス!」

互いのポケモンがキョダイマックスする。先手を取ったのはリザードンだった。

「リザードン!ダイソウゲン!」

「さすがにきついわねー・・・これ・・・」

リザードンの草技によって、リリィは大ダメージを負う。

「リリィ!あきらめちゃだめだよ!ダイロック!」

「(そうね、ここまでミクちゃんたちが繋いでくれたのに私だけ無様に倒れるわけにはいかないものね。私はまだミズキちゃんとの思い出があまりないわ。だって加入したのはごく最近だもの・・・だったら、これからたくさん作ればいいのよ。ミズキちゃんとの熱ーい思い出をね!!!)」

リザードンのダイソウゲンで大きなダメージを負ったものの、これから先にミズキとの思い出をたくさん作ると誓ったリリィは持ちこたえ、ダイロックをリザードンの急所に当て、一撃で倒した。リザードンは爆散した。

「やった・・・勝ったよリリィ!」

「ほーら・・・この大舞台で勝ったことで、思い出がちゃんと増えたじゃない。」

「チャンピオン、タイムイズオーバー!最高の試合にありがとうだ!ミズキ君おめでとう!君が新しいチャンピオンだ。心の底から賞賛する!キミが強くなった今、俺も未来の事を考える!さあミズキ!これからも自分自身とパートナーのポケモンを信じて突き進め!自分たちが望む明るい未来を作るために!」

「はい!」

「ガラルのみんな!今ここに新しい伝説が生まれた。ミズキが見せてくれる未来、皆で楽しみにしようぜ!!!」

こうしてミズキはガラル地方の新たなチャンピオンとなったのだった・・・タチフサグマやゴリランダー、ハイとローのストリンダーによる盛大な演奏が行われ、ジムチャレンジは幕を閉じた。だが、彼女の冒険はもう少しだけ続きそうである。どうやらあの遺跡に動きが・・・?

「今日はここまでだね。この後・・・何かあるのかな?」

ミズキの現在の手持ち

ミク(インテレオン)♀ L66

エリカ(セキタンザン)♀ L64

ムツミ(ブリムオン)♀ L62

コハル(モスノウ)♀ L63

カグヤ(ドラパルト)♀ L64

リリィ(サダイジャ)♀ L71

控え

タオ(アーマーガア)♀ L55

モモコ(ネギガナイト)♀ L49

アカネ(ワタシラガ)♀ L56

ミカン(ストリンダー)♀ L60

ムゲンダイナ(ムゲンダイナ)L79

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