いじめや迫害で引きこもった人に更生という表現を使うのは違う気がする

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現代は社会から脱落してしまう人間は公表されない、もしくは揉み消されているだけで実際には多くいると思う。不良となって落ちぶれた人間、様々な事情で引きこもりになってしまった人間、容量の悪さゆえに仕事ができず退職せざるを得なくなってしまった人間・・・社会から脱落する理由は様々だ。

しかし、どのような理由があってもなぜか社会復帰することに対して更生という表現を使われている。私はこの表現にずっと違和感を持っていた。今回は私が更生という言葉に感じる違和感について書いていこうと思う。

更生という言葉の意味

更生という言葉には以下のような意味があると言う。

こうせい【更生】
1、立ち直ること。好ましくない精神状態や生活態度から、かつての健康で豊かな状態に戻ること。 「 -して社会復帰する」
2、生きかえること。よみがえること。蘇生そせい
3、役に立たなくなった物、使えなくなった物を再び役立つようにすること。
4、 障害者が能力を活用して社会経済活動に参加すること。 〔同音語の「更正」は誤りを改めることであるが、それに対して「更生」は立ち直ること、また、生きかえることをいう〕
出典:コトバンク

確かに更生という言葉の中には障害を持つ人間が能力を生かして社会活動に参加するという意味もある。

しかし、悪いことをした人間に使われる同じ読みで同じ意味の”更正”がある影響もあってか、私は様々な事情によって無職になったこと悪いこととして扱われているのではないかというイメージをどうしても感じてしまう。

それに加え、まるで私自身が元々不良品だったような扱いされているようにも感じてしまう。私の考えすぎなのだろうか?

悪いことをした覚えがないから違和感を感じる

とはいえ、社会に適応できずに、金を生み出す存在になれなかった私が悪いのは事実だろう。

しかし、私はこれまで社会的な場所で特に悪いことをしたという覚えがあまりない。嫌だったが学校の規則には従ってずる休みなどせずに登校していたし、暴力行為や教員に逆らったこともない(いじめの反抗や反撃は除外)、未成年のころに飲酒や喫煙をしたことだってない。

私が更生という言葉に感じる違和感はこのあたりなのかもしれない。なぜ、悪いことをしていないのに就労していないと言うだけで悪いことした連中と同じような言葉の括りでまとめられてしまうのか。なぜ仕事ができないだけで役立たず、不良品扱いされてしまうのか。もっと違う言葉を充てることは出来なかったのかと思うのである。

本当に自分に向いていることで実力を発揮して金を生み出せる存在になり、周りの言葉が気にならなくなった時が真の更生と言えるのかもしれない。

少なくとも一度落ちぶれてしまった人間を何とかしてでも企業に入れることを前提に動いている現在の福祉では、私のように一人で金銭を稼ぎたいと思っている人間にとってはなんの効果もないことを実感している身としての意見ではあるが・・・

社会に新卒主義が未だにあるから落ちぶれる人が追いつめられる

私が思うに

社会に新卒至上主義がいまだに存在していることや、ドロップアウトした人に冷たい視線があるからではないかと思う。

確かに近年は転職する人も多くなってきたし、改善してきたようにも思うが・・・それでも一度でも無職になってしまった人間への風当たりは非常に冷たい状態ではないだろうか。終身雇用はもはや幻想でしかない。

それに引きこもった理由が周囲と違うことなどによって引き起こされたいじめや迫害だった場合、いじめをした側の奴はなんの罪にも問われないのは何故なのだろう?

いじめや迫害をなんの罪悪感もなく実行して、不良品にする原因を作った奴の方こそ更正させる必要があるのではないだろうか?

そして出来ることなら更生以外の言葉を新しく作って欲しいとも思う。近代になっても新しい言葉は若者を中心に生まれているのでできないことはないはずだ。

もう少し理由問わずにドロップアウトせざるを得なかった人間に対して優しい世界であって欲しいとは思うが、やったもん勝ちのこの現場を見ている限りでは難しいと思わざるを得ない。

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コメント

  1. 二次元だけが癒し より:

    そうですね。自分も更生という言葉ではなく再起や復活という言葉が望ましいと思います。結局の所人間というのは自分より下の悪者が欲しいんですよ。いじめなどもそうですが、一人の人間を悪者にして、集団で追い詰め、時には正義を振りかざして自分達を正当化するあり方には嫌気がさします。

    • ジョニー小林 より:

      二次元だけが癒し様 コメントありがとうございます。
      悪いことをした人間が復帰するのと特に悪いことをしていないのに様々な事情で一度ドロップアウトしてしまった人間が字こそ違えど同じような発音の言葉で扱われるのには違和感を感じますね。ドロップアウトした経験のない人はそういうことを考える機会が皆無だと思うので上の人間が下の人間を見下して攻撃するいじめと同じような構造になっているようにも思います。再起や復活、いい案だと思います。私は別の道に進むということで別道(べつみち)とかいうのしか思いつきませんでしたので素敵です。